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■イソジン狂想曲

2020.08.05(18:38) 1089

今度はイソジンですか…。

買い占めた!とわざわざ連絡してきた友人がいましたが、大変言いにくいけれど、使い途に困るでしょうねえ。

そもそも、イソジンうがいがコロナウイルスに対して「肺炎を治癒させるのか」、「重症化を防げるのか」、「感染を予防するのか」、「ウイルスの排出を抑制するのか」、「ウイルスの感染力を弱めるのか」などなど、どういう側面に有効なのかを明示しない報道の姿勢(あたかも有望な即戦力になりうるという期待が先行するような表現)に終始して、知事の発言は極めて非医学的であり公序良俗に反すると言わざるを得ません。

だいたいですよ、風邪予防にイソジンうがいが効くなんて考えている医師はほとんど居ないのではないかな。むしろ口腔・咽頭粘膜を傷害して感染しやすくなるという報告もあります。

もっとも、イソジンは消毒薬としての歴史は古いものの殺菌力は現役クラスでして、汚染創の洗浄や術野の消毒には大活躍していますが、家庭レベルでの消毒、例えば包丁の切り傷や転んで擦りむいた膝小僧の消毒にはオーバーといいますか、不要というよりも寧ろ有害性の方が問題になるくらいです。

慣れ親しんだイソジンも薬ですからね、害もあるんですよ。



医学論文に基づくニュースや報道は、 吉村知事に限らず、「ろくに分かっていない者が読者の気を引くために、したり顔で声高に主張するものだ」ということを知っておいた方がいいです。

医学的な論文を『創る』ことは実は簡単で、ほとんどが統計学的操作による「見掛け上もっともらしい」データが論理の主軸になりますから、恣意的な捏造の温床になりやすい。そして、その論文の読者は容易に追試出来ないことが殆どなので、性善説に基づいて信用しつつ、批判的視点で常に反駁し続ける姿勢が求められます。

「主治医に訊ねても白黒はっきりしない曖昧なお返事に終始した」なんていう不満を患者から聞くことがありますが、一部の医師がそういう煮え切らない態度になるのは、(好意的に解釈すれば)科学的に誠実であろうとする姿勢の表れかも知れません。なんちゃって。



喫煙者は新型コロナウイルスに罹患しにくいという報道が一時期なされました。中国、そしてフランスでもそのような傾向があるという論文が発表されたのでした。

こういう意外性のある論文は一般紙でもニュースとして取り上げられやすい。

でも、その論文を受理した雑誌がどこで、著者が誰で所属機関がどこで、その報告内容と利害関係にある企業・政府との関わりの有無、もちろんどのようにデータを集めて解析したのかまで読み込まないと信用してはいけないものなのです。それくらい医学論文は疑ってかかるべき読み物なのです。

実際、件の論文たちはタバコメーカーからの資金援助を受けていたり、雑誌そのものがお金を払えば掲載してくれるような質の低いものでしたので、あの報道を今も信じている医者がいればどうかと思いますし、一般の(特に喫煙者の)方々にはくれぐれも信用しないようにお願いします。
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