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■医学部人気はどうなるか

2020.08.14(20:09) 1104

種々の業界が様々な衝撃を受けているコロナ禍。医療機関も一部で重大な危機に直面しています。

ボクの専門及び勤務形態に直接的な影響はなく、寧ろ面倒な会議や説明会などがオンライン開催となり、家族と過ごす時間が増えて内心喜んでいる位なのですが、一部の界隈では施設の持続可能性まで危ぶまれる状況です。

まず開業医。特に耳鼻科や小児科は惨憺たるものです。風邪に代表されるお気軽受診で薄利多売してきた先生方は阿鼻叫喚。

ボクは、以前からこのブログでも日本の薄利多売医療を嘆き、いずれ改革が必須であると書いてきましたが、それは十年、二十年の長いスパンでの移行を想定していました。それがたった一種類のウイルス出現でいきなり自然選択の重圧に見舞われた格好です。

患者の不安払拭及び院内混雑緩和のために長期処方を解禁した医療機関も厳しい。例えば、今までは30日分ずつ処方していた薬を90日分に「暫定的に」変更したクリニックや病院。患者さんはもう戻ってきませんよね、30日処方には。再診料や指導料などの付加収益が永久的に減少したわけです。

真面目なクリニックや病院ほど感染防御のための資材(マスクやガウンなど、値段はピンキリ)をきちんと購入します。その費用は病院の負担ですから、当然儲けは減っていきます。

逆に、処方薬の多くが30日までと制限されている精神科は、コロナ鬱や不安症の増加のためか、外来は復活したどころか増加しているクリニックもあるようです。

また、基礎医学の世界は寧ろ憧れてくれる医学生や高校生が増えているという話も耳にしました。

このように、コロナ禍の中、同じ医師でも打撃を受けた者とそうでない者がいます。

大学受験において医学部は不動の人気を誇っていましたが、今後どうなることでしょう。臨床よりも創薬に関心を持つ若者が増えるかも知れません。公衆衛生学が日の目を見るでしょうか。

最も潰しの効く職業、最も食いっぱぐれることのない仕事とされてきた医師。

子ども達がそれを志望したときに、世界はどうなっているでしょうか。

いずれにしても、今後の日本の医療を救うためには、現在苦しんでいる医療機関への公的援助が必要です。この状況は突然すぎて、余りに残酷です。
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