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■ケアレスミス:弐

2020.09.14(09:37) 1148

■ケアレスミスの続きです。

どんなに気を付けていても、数時間の試験中に一度もケアレスミスをおかさない人は稀でしょう。

ボク自身がおかしたミスの実際の状況を思い浮かべると、たいていは『意識の迂回』、つまり、ふと心のなかに思いがけず浮かんできた物事に気を取られた瞬間に足元を掬われていました。いわゆる「気が逸れた」というものです。

柔道でも実力伯仲の好敵手と戦っていて、綺麗に技が決まるのは相手が一瞬気を抜いた僅かな好機です。弓道で会心の射を放てるのは心に雑念が全く浮かばなかったとき。「あれ?今自分は何を考えていた?」という奇妙な快感が残ります。この快感を再現したくて、でも難しくて、結果のめり込むのが弓道である、とも言えます。

学力試験もスポーツ・武道も、雑念との戦いと言えましょう。

雑念に打ち勝つ方法は、まずは精神的な安定が重要です。これは、例えば欲求不満や睡眠不足、両親の不和だとか学習環境の不整備だとかに大きく左右されるでしょう。子どもには『安定』して『安心』できる環境が必要ということです。

それでも湧き上がる雑念にはどう対処すればいいのでしょうか。

ボクがスポーツ・武道に打ち込んでいた頃に自ら気付き、率先していたのが『雑念の気配にいち早く気付く』『それを気合いで消す』というアソビです。

目を閉じて瞑想するか暗闇でロウソクの炎を凝視して、頭を空っぽにするか、何かひとつの事柄だけを考えます。そして何かが頭によぎるや否やエイヤ!と気合いを入れて打ち消します。これ、今こうして書くと若気の至りのようで気恥ずかしいんですが、当時は真剣に毎日やってました。

でも、多分、同じようなことを意識してやっている人はいるでしょう。

予備校講師だったころ、秀才達が問題に取り組んでいるのを俯瞰していて、一部の生徒が突然拳を強く握ったり、手刀で空を切ったりしているのをしばしば目にしました。後で訊くと「集中力が切れそうなときにやるんですよ~」といった返事でした。

とにかく、『意識の迂回』は誰にでも起こる心理現象です。それを減らすこと、それを上手に把握して大過ないうちに対処することが大切だと考えます。

が、それはせいぜい中高生以上の話。

小学生にはなかなかイメージしにくいものでしょう。そこで役に立つのがアソビや習い事です。

スポーツでも習字でも将棋でも楽器でもなんでもいい。集中が必要で、『意識の迂回』が即ち負けになるような遊びであれば。

小学生以下の子ども達に勉強以外の体験、特に真に熱中するような習い事をさせる意義は、ボクはそこにあると思っています。
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