先輩ドクターから中学受験の相談。
この先輩、ボクと同県出身で中学高校大学全て公立。
年長さんの第一子を今年度内にSAPIXに入塾させたい奥様(医大まで全て私立)と意見が合わず困っている。家族旅行(先輩の帰省)の予定をキャンセルして入塾試験を受けるべきと奥様は主張しているらしく、日々衝突が絶えないのだと。
先日の小学校受験で志望校に惜しくも不合格、奥様の落ち込みは想像に難くなく、早くも中学受験を意識して動いておられるが、それがどうにもいきすぎではないかと悩んでいる…という相談。
『二月の勝者』冒頭の迷言「母親の狂気」という言葉が脳裏をかすめ、その購読をさらりと勧めつつ、確かに中学受験を背景に夫婦でいさかいが絶えないという友人は他にもいるなあと思い出します。
我が家はその点、円満でした。平和裡に始まり平穏無事に進行し大過なく終わりました。
先輩に呼び出されたのがボク一人では絶対入らないような隠れ家風のイタリアンバーのカウンターで、「先輩、なんでこんな店知ってるんですか、まさか奥様と来るわけじゃないでしょうに」なんて軽口を叩きつつ、互いの近況報告と現代医療政策の抱える闇、そして我流教育論について盛り上がりながらの酩酊状態。何やら後半、舌がやけにもつれるなと自覚した記憶もありますが、閉店で追い出されるまで楽しい時間を過ごしました。
で、ボクの進言としましては、中学受験は年長から意識すると余りに長丁場なので、まずは夫婦円満にいきましょう、今から喧嘩していたのでつまりません、SAPIXの低学年なんて別に行かなくていいものだと断言できますし、ウチも長男は小四まで入塾させるつもりはないですが、かといって低学年から通って有害というわけでもありますまい、奥様がご子息を一日も早くSAPIXに入れたいとさようまで願うのならば、さっさと入れてしまえばいいではありませぬか、それで奥様が満足なさるなら安いもの、そもそも先輩が反対なのは低学年から通塾してご子息が疲弊することと伺いましたが、いやいや子どもは塾が心底楽しいと感じる生き物ですぞ、ま、そうでないお子さんもいるでしょうが、それなら中学受験はやめるが吉ですし、SAPIXもプロだから、ご子息は高確率で「塾楽しい!」と言いながら帰って来ますぞ、このチーズを賭けてもいい。
そんなことをお話した記憶がございます。
久しぶりの午前様となり、翌日妻に「こんな話をしたんだよ」、なんて軽い気持ちで報告したのです。
すると、妻の目がキラリンと光りました。「ねえ…有害でないのなら、塾に通わせてみない?」なぬ?
「○○も塾に通いたいって」
「え、本当に?」と息子をみますと、満面の笑みで「行きたい!」
なんと…同級生たちが多数通塾しているのは知っていましたが、それを羨んでいたとは。
ちょ、ちょっと待って。低学年のうちはいろいろ習い事に集中させたいって言ってたじゃん。ピアノも空手も水泳も…。もっと速く泳げるようになって欲しいしさ。
「でも週イチだよ?公文をやめればいいじゃない?」
うーん、考えてみる…と答えてその話はいったん終わり。
「母親の狂気」「夫婦円満」「子どもは塾を楽しがる」…自分の言葉が頭の中で渦巻きます。
しかし、まさか本人に「塾に行きたい!」と言わせるとはなあ。さても我が妻ながら策士よのう。
この先輩、ボクと同県出身で中学高校大学全て公立。
年長さんの第一子を今年度内にSAPIXに入塾させたい奥様(医大まで全て私立)と意見が合わず困っている。家族旅行(先輩の帰省)の予定をキャンセルして入塾試験を受けるべきと奥様は主張しているらしく、日々衝突が絶えないのだと。
先日の小学校受験で志望校に惜しくも不合格、奥様の落ち込みは想像に難くなく、早くも中学受験を意識して動いておられるが、それがどうにもいきすぎではないかと悩んでいる…という相談。
『二月の勝者』冒頭の迷言「母親の狂気」という言葉が脳裏をかすめ、その購読をさらりと勧めつつ、確かに中学受験を背景に夫婦でいさかいが絶えないという友人は他にもいるなあと思い出します。
我が家はその点、円満でした。平和裡に始まり平穏無事に進行し大過なく終わりました。
先輩に呼び出されたのがボク一人では絶対入らないような隠れ家風のイタリアンバーのカウンターで、「先輩、なんでこんな店知ってるんですか、まさか奥様と来るわけじゃないでしょうに」なんて軽口を叩きつつ、互いの近況報告と現代医療政策の抱える闇、そして我流教育論について盛り上がりながらの酩酊状態。何やら後半、舌がやけにもつれるなと自覚した記憶もありますが、閉店で追い出されるまで楽しい時間を過ごしました。
で、ボクの進言としましては、中学受験は年長から意識すると余りに長丁場なので、まずは夫婦円満にいきましょう、今から喧嘩していたのでつまりません、SAPIXの低学年なんて別に行かなくていいものだと断言できますし、ウチも長男は小四まで入塾させるつもりはないですが、かといって低学年から通って有害というわけでもありますまい、奥様がご子息を一日も早くSAPIXに入れたいとさようまで願うのならば、さっさと入れてしまえばいいではありませぬか、それで奥様が満足なさるなら安いもの、そもそも先輩が反対なのは低学年から通塾してご子息が疲弊することと伺いましたが、いやいや子どもは塾が心底楽しいと感じる生き物ですぞ、ま、そうでないお子さんもいるでしょうが、それなら中学受験はやめるが吉ですし、SAPIXもプロだから、ご子息は高確率で「塾楽しい!」と言いながら帰って来ますぞ、このチーズを賭けてもいい。
そんなことをお話した記憶がございます。
久しぶりの午前様となり、翌日妻に「こんな話をしたんだよ」、なんて軽い気持ちで報告したのです。
すると、妻の目がキラリンと光りました。「ねえ…有害でないのなら、塾に通わせてみない?」なぬ?
「○○も塾に通いたいって」
「え、本当に?」と息子をみますと、満面の笑みで「行きたい!」
なんと…同級生たちが多数通塾しているのは知っていましたが、それを羨んでいたとは。
ちょ、ちょっと待って。低学年のうちはいろいろ習い事に集中させたいって言ってたじゃん。ピアノも空手も水泳も…。もっと速く泳げるようになって欲しいしさ。
「でも週イチだよ?公文をやめればいいじゃない?」
うーん、考えてみる…と答えてその話はいったん終わり。
「母親の狂気」「夫婦円満」「子どもは塾を楽しがる」…自分の言葉が頭の中で渦巻きます。
しかし、まさか本人に「塾に行きたい!」と言わせるとはなあ。さても我が妻ながら策士よのう。
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