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■とにかく楽しむ

2018.09.11(08:14) 377

地震や台風が来て初めて普通の暮らしの脆弱性と有り難みが分かります。

病気や事故も、普通に生活している健常者にとっては「いつ身に迫ってもおかしくないのにイマイチイメージしにくい」非日常ではないですか。

妻や娘らとの平穏な生活は、このまま静かに続いていく可能性の方が高いのでしょうけれど、救急病院という「非日常が日常」の現場に身を置いていると、感覚が麻痺して妙に気持ちが醒めてしまうこともあれば、時々無性に怖くなることもあります。

ところで、癌の一番の原因はなんだと思いますか?

遺伝?タバコ?酒?ウイルス?肥満?糖尿病?

実は、「運」です。

運悪く発癌し、運悪く早期発見できない。どんなに健康に気を使って生活していても、「自分は癌家系じゃないし、酒もタバコもやらん!運動も好きだ!」と誇っていても、なるときにはなるのが癌。(だからといって、酒タバコは無関係と言ってるのではないですよ!)

そして、癌というのは症状があって受診して、医者に告知されたときに発生するものではありません。もう何年も前から体のなかに不運にも発生し、息を潜めて少しずつ増大しているんです。だから不気味です。

癌の手術が無事に終わって再発のリスクに怯えながら生活する患者から、「私はこれから何に気を付けたらいいでしょうか」とよく訊かれます。酒をやめる?タバコをやめる?それも結構。

でも、一番大切なことは、数年以内に再発するかどうかは『もう決まっているんだ』という認識です。再発は無から発生するのではありません。取りきれなかった癌細胞を、現時点(初回治療の時点)で見付けられなかっただけです。

だから、患者さんには『とにかく毎日を楽しまなきゃ損ですよ!食べたいものを食べ、好きなことをたくさんやって下さい!』と言うことにしています。

そして、これは自分に対する激励でもあります。可愛い妻や子どもらを三人残して死ぬのは辛いことです。でも、それを案じていても仕方ない。毎日をしっかり楽しまなきゃ損ですからね。
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