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■救急車の適正利用

2018.09.14(09:34) 383

知り合いの救命士が嘆いてました。
ここ最近、(なんでこんな軽症で救急車を呼んだのか…)と絶対口に出せないけれどテンションダダ下がりな要請が増加しているそうです。

「子どもが虫に刺された」という理由で1日に2件搬送した日もあったとか。鼻血の救急要請も珍しくない。

まあ、不安でパニックになった親御さんを責めるのも酷ですが、いくらなんでも…というケースは確かに目立ちます。

もちろん、子どもだけではありません。



世間的に『救急車の不適切利用』が問題化していることは寧ろ年々広く知られるようになっていると感じますが、それ以上に不適切利用が増えています。

それはつまり、良識のある人々が損をする一方ということです。

「年金暮らしだからタクシー代がもったいなくてさー!」とニコニコ笑いながら救急車を降りてきた微熱のおじいちゃんの横で、激しい腹痛でうめきながら頑張って自力で救急外来まで歩いてきた若者が緊急手術を待つというシュールな光景…。



救急車の有料化。
この問題を知る人々がよく口にする言葉です。でもこれ、本当に難しいんですよ。

一律有料化?それとも重症度や所得に応じて?適正な金額は?誰が決めるの?

ちなみに救急搬送一件あたりに要するコストは約五万円といわれています。



一昔前の救急隊はもっと恐かったんですよ。不適切利用についてハッキリ怒ってくれる人がちょくちょくいました。でも今は絶対に怒りません。

じゃあ誰が不適切利用者に苦情・注意を伝えるのか?

医師、ですか?

ボクは医師しかいないと思ってました。悪質ないし教育的指導が必要と思われたケースにはかなり注意してきました。ボクには一文の得にもならないのに!ただひたすら社会正義のために!

でもね、たまーに苦情が入るんですよ(笑)

医者が決めることじゃないだろって。救急車を呼ぶのは国民の権利だろって。

ハイハイ、そうですね。わかりました。憎まれっ子世に憚る、です。

難しい問題なんです。
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