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■夜間救急外来

2018.09.21(09:13) 401

救急病院は24時間患者対応しています。

医師、看護師のみならず、放射線技師や臨床検査技師、薬剤師が一緒に当直している病院もあります。そして、このなかで医師だけは翌日も普通に勤務するのが当たり前です(涙)。

つまり、医師は朝から通常勤務を開始して夜から当直業務に移り、翌朝はまた夜まで通常業務に携わるというわけです。当直中にどの程度休めるかは病院次第、患者次第。最悪、40時間近くぶっ続けで診療です。外科医ならその状態で手術することも珍しくありません。

何のために?

翌朝の通常外来を待てない中等~重傷患者の初期対応のためです。心筋梗塞や脳卒中、吐血や外傷性出血、腹膜炎・髄膜炎、てんかん発作、パニック発作、自殺未遂…。

ところが、この手の救急医療を支える二次救急指定病院の夜間救急外来にやってくる患者の大半はごく軽症。

もちろん患者は自分の症状が軽症なのか重傷なのか判断出来なくても仕方なく、むしろだからこそ不安になって深夜に病院にいらっしゃるのでしょう。当然ながらウェルカム!です。

問題は、自分で軽症だと分かっているのにやってくるパターン。

・日中の通常外来は混雑するから
・仕事や学校を休みたくないから
・とにかく薬だけくれればいい

うーん…それを寝ずに頑張ってる医者に言う?(^^;

そして、そもそも急患ですらない患者もしばしば来ます。半月前からだるい。3日前から喉が痛い。最近体重が減った。最近疲れる。咳っぽい。

あのですね。まともな診察、検査を希望されるなら通常外来に勝るものはないんですよ。マクドナルドだって朝はまともなメニューじゃないでしょう?(朝マック好きな人ごめんなさい)

お願いですから急患ではない人は昼間に来て下さい。そのせいで本当に救急対応が必要な患者さんに不利益が生じることもあり得ます。

それに、病院にもよりますが、夜間の薬はごく少量しか処方しないものです。「胃が痛い?じゃあガスター1個渡すから朝になったら内科来てね」、「熱が出た?じゃあカロナール1回分渡すから朝になったら内科来てね」みたいな、研修医ですら眉をひそめるようなファストフードならぬファストメディシンしかしない『自称救急病院』もあります。それだけで自己負担2、3000円になるのが夜間救急外来です。ずいぶん高いガスターですね。

病院は昼間に受診するのが正しい利用法です。夕方以降、「これは明日の朝まで待てないかも…」と不安があればぜひ夜間救急外来を受診して下さい。

迷ったときは病院に電話して下さいね。若い方に多いんですが、深夜に問い合わせなくいらっしゃる方もいます。病院はコンビニではありません。

なお、検査技師が不在ならまともな血液検査は出来ませんし、放射線技師が不在ならまともなレントゲンもCTも撮れません。その辺りも電話で確認出来ますよ。
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