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■『空っぽの水槽』教育論

2018.11.20(08:16) 538

ボクは自他ともに認めるアクアリスト、つまり水棲生物飼育の愛好家です。サンゴとか海水魚とかカメとか熱帯魚とかの、要するに水槽で生き物を飼うことが大好きな種類の人間です。

で、アクアリストが集まるとよく言うのが「空っぽの水槽を眺めているときが一番楽しい」。

水も張っていない水槽を腕組みしながら眺め、「何を飼おうか」、「どうレイアウトしようか」、「フィルターは何にするか、照明は、底砂は、バックスクリーンは何にするか」とあれこれ悩んでいるときが一番楽しいという意味です。

上級者(?)にもなると空っぽの水槽を『肴』に夜な夜なお酒を楽しみます。かくいうボクも、この半年ほど水を張っていない水槽がひとつリビングにあって、妻から「飼うなら飼って、飼わないならどけて」とせっつかれています。もっと言えば水を張っただけの水槽も2つあります。

似たようなことが学習業界にもあります。ボクが高校生を指導していたとき、とにかく「学習計画を練ることにかける時間も学習時間である」かのように振る舞う連中がいかに多いか。

「この科目は○○塾の△△先生の講義を受けて、あの科目は参考書の××を終わらせたら問題集の●●を解こう」とか、「国語で40点、理科で80点取れれば数学は60点でいいな」とか。

これを来る日も来る日も考え続けている。趣味なのか現実逃避なのか『山月記』的自己保身なのか知りませんが、ひとつ言えるのは、そんな皮算用に明け暮れる時間を目の前の問題集に費やせばどんなに有意義だろうかということ。

子育て、といいますか、子どもの勉強をみるにも似たようなことが言えると思います。地に足着かぬ教育論やよその成功例について情報収集に勤しみ、決して実行しない学習プランを練ることに満足感を覚える。そして夢想する。いかんいかん。ブログを始めた頃(つまりは娘に勉強を教え始めた頃)のボクはちょっとそういう時間を楽しいと思ってしまったのです。

水槽の半閉鎖世界は絶妙なバランスの上に維持されます。そのバランスが乱れると水質が一気に悪化し、中の生物の全滅という最悪の事態に繋がります。この恐るべき現象をアクアリストは「崩壊」と呼びます。

現実に出来ることを一歩ずつ。始めたいことがあればすぐに始めましょう。ただしそれは維持可能なプランでなければなりません。

子どもは『空っぽの水槽』ではありませんからね。ちゃんと手をかけ目をかけないと崩壊しかねませんから。
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