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■大腸カメラの話 大腸癌撲滅のために

2018.12.18(18:16) 597

以前、『■ピロリ菌 胃癌撲滅のために』と『■検診を』という記事を書きました。

今回は大腸癌。

国民病と言っても過言ではなかった胃癌はピロリ菌感染率の低下によって今後確実に減少します。その一方、食生活の欧米化(特に肉食)と運動不足によって、大腸癌は増加の一途。今や男性癌死の3位、女性癌死の1位です。

大腸癌を罹患して悔しいのは、大腸内視鏡(大腸カメラ)という、大腸癌を高い確率で早期発見できる武器が日本全国に普及しているからです。普及しているのに敢えて受けなかったからです。

40歳以上で大腸カメラの存在を知らない人は稀でしょう。そして、それが決して楽な検査ではないことを知っている人も多いでしょう。ものすごく抵抗があるのは分かります。

でも、その抵抗を乗り越えた勇気ある人だけが大腸癌を早期発見出来るのです。

『便潜血』という検査があります。便に血が混じっているかどうかをみるものです。「陽性」なら大腸癌の可能性が【ほんの少し】他の人より高くなります。その現実を突きつけられても大腸カメラを受けてみようかとなる人は半分ちょい。意外と多くの人は便潜血陽性を見て見ぬふりします。だって大腸カメラに抵抗がありますから。

「陰性」ならどうでしょう。「あー良かった、自分は大腸カメラを受ける必要がないのね」って、本気で勘違いしている人が非常に多い。あの検査で陰性だからといって、あなたに大腸癌の可能性はありませんなんていう保証はどこにもありません。

じゃああの検査は何のためにやるのか?

日本全国の大腸癌で死ぬはずの人の数を統計学的に意味のあるレベルで減らすためです。全員を救うためではありません。

全員が救われるためにはあんな検査に何の意味もありません。全員が大腸カメラを受けるしかないのです。

ここが医療政策の非情なところです。対象をあくまでも患者「群」で考え、癌死が10%でも減れば「意味があった」と評価されるのです。残りの人は医療政策において、コストパフォーマンスの観点から切り捨てられた人々です。

このブログを読んで下さっている方の多くは「大腸癌を心配するには自分はまだ若い」と考えている世代でしょう。

でも、医療現場では40代、30代の大腸癌は確実に増えています。20代もいます。なんせ国民総運動不足・欧米的食生活ですから。

当ブログを来訪して下さった方に覚えて帰って欲しいこと。

便潜血検査はあなたの命を救う上で意義が乏しいどころか誤誘導になる可能性があること。
大腸癌を恐れるのならば、受けるべき検査は大腸カメラしか存在しないこと。
案ずるより産むが易し。

以上です。
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