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■歌で学ぶ日本語

2019.03.05(13:03) 733

ある女子中学校の国語の入試問題に唱歌『こいのぼり』の歌詞について出題があったとか。面白い着眼ですね。あ、「甍の波と雲の波」で始まる方の『こいのぼり』ですよ。

ボクは小3の頃から合唱をしていましたので歌の知識はありますが、案外高校や大学受験にも役立った気がします。

というのも、歌で学ぶ語彙は活きるんですよね。英語を洋曲に学ぶ手法もありますが、文部省唱歌も子どもらに是非とも知って欲しい言葉のオンパレードです。

例えば『われは海の子』を7番まで歌えますか?小3のボクは暗唱していましたよ。ちょっと張り付けてみましょう。

我は海の子白浪の
騒ぐ磯辺の松原に
煙棚引く苫屋こそ
我が懐かしき住家なれ

生まれて潮に浴(ゆあみ)して
浪を子守の歌と聞き
千里寄せくる海の気を
吸ひて童となりにけり

高く鼻つく磯の香に
不断の花の香りあり
渚の松に吹く風を
いみじき楽と我は聞く

丈余の櫓櫂操りて
行手定めぬ浪枕
百尋千尋の海の底
遊び馴れたる庭広し

幾年此処に鍛へたる
鉄より堅き腕(かいな)あり
吹く潮風に黒みたる
肌は赤銅さながらに

浪に漂ふ氷山も
来らば来れ恐れんや
海巻き上ぐる竜巻も
起らば起れ驚かじ

いで大船に乗出して
我は拾はん海の富
いで軍艦に乗組みて
我は護らん海の国

まー最後の方は少々キナ臭いんですけど(笑)、昔の子どもはAKBなんぞではなくこういう歌を唄っていたわけです。特攻隊の遺書を引くまでもなく古い時代の若者の語彙が凄まじかったのも当然と言えます。

こんなイカツイ歌でなくとも、例えば『朧月夜』なんかは今の子どもにも入りやすいですね。

菜の花畠に入り日薄れ
見渡す山の端霞深し
春風そよ吹く空を見れば
夕月かかりてにほひ淡し

里輪の火影も森の色も
田中の小路を辿る人も
蛙の鳴く音も鐘の音も
宛ら霞める朧月夜

なんて美しい…。

古来、大きな音を「おと」、小さな音を「ね」と区別していたそうです。従って蛙の音は「ね」、鐘の音は「おと」と読むのが正解です。

霞も朧も菜の花も蛙もみんな春の季語。いうまでもなく「にほひ」は色合いのことです。

ボクの趣味で娘には古文や漢文の音読・暗唱をさせていますが、唱歌の歌詞を読んでもらうのもいいかも知れませんね。

そんなこと言ったら「さだまさしの歌詞も!」と欲をかきたくなりますが。

暗唱じゃなく一緒に歌えばいいじゃない?と思われるかも知れませんが、娘はボクの前では絶対に歌わないんです。ボクが上手すぎるから恥ずかしいみたいです。なーんてね!(笑)
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