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■コロナと休講

2020.03.13(10:28) 887

医療従事者として、受験ブログなどを通じて保護者の皆さんのお考えをじっくり拝見しています。なるほど、一般の方はそういう風に考えるのかなどと新鮮な驚きもありました。ちょっと反論したくなるものも正直ありました。

新型感染症のパンデミック宣言という未曾有の事態において、コロナウイルスと戦うボクたちの守るべき柱はふたつです。

ひとつは医療崩壊を防ぎつつ感染症に脆弱な患者の罹患・重篤化を可能な限り抑制すること。

医療崩壊は恐ろしいですよ。アフリカでエボラが広まった際は病院が機能喪失し、エボラでの死者の五倍の人間が適切な医療を受けられずに亡くなったという報告もあります。要するに、コロナウイルスに限らず一人でも悲しい思いをする人を減らしたいってことです。

もうひとつの柱が日常生活の進行を止めてはならないということ。

感染症に対する最高の防御は鎖国と国内移動制限、そして自宅でのひきこもりです。これで必ずや鎮静化するでしょう。しかし、そんな生活が果たしてコロナウイルスに勝っているといえるでしょうか。

感染症との戦いには人命救助のほかに、社会機能の保持という目標もあるのです。全面的勝利は恐らくもうあり得ないので、どこかで開き直り、軟着陸を目指すことになります。

公衆衛生と日常生活のどちらを優先させるかという狭間において、保護者の判断が割れるのは仕方のないところでしょう。厚労省ですら明確な方針を決められないのですから。

しかし、医療の現場で暗中模索している(実際、お上からもたらされる情報は圧倒的に不足しています)人間として、切にお願いしたいのは、

学習塾の教室はクラスターになりうること
無症状の保菌者も多いこと
従って通塾する子どもは保菌の可能性があるものとして慎重に行動すること

を意識して頂きたいのです。「慎重に行動」とは、要するに感染対策の手技をしっかり指導すること、病院や療養施設へのお見舞いを控えること、病院受診時はエチケットを徹底すること、不要不急の遠出を避け、ライブコンサートなど他のクラスターになりうる集団への参加を控えることなどです。

以上、ひっそりとお願いしておきます。
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