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■お上の戦果ではない

2020.05.05(22:30) 969

新型コロナウイルスのお話。

やはり、特筆すべきは日本の死亡者の少なさです。死亡率、ではありません。死亡の実数が、やはり、どう考えても少ない。

政府が隠蔽しているなどという陰謀論を言いたいのではありません。実際、病院内で伝播すれば医療者ならすぐに気付くでしょう。看護師さんたちは患者の体温を医者よりもしっかり看ているし、呼吸状態の変化だって同様です。しかもみんな本当に恐々と仕事しているのです。報道の数倍程度の死亡例があったのなら、隠蔽出来るとはとても思えない。

やはり、日本の新型コロナウイルスは相当(少なくとも欧米に比べると)上手くコントロール出来ているのは事実なのだろうと思います。

しかしです。

これは、断じて『お上の戦果ではない』と申し上げたい。

彼らの作戦勝ちなのではなく、彼らは運が良かっただけだ、とボクは思うのです。

医療現場はもうだいぶ疲れました。薄氷を踏む思いで急患を受け入れ、日々の診療に当たっているのです。「○○病院院内感染・診療停止」、これが明日の我が身にならないようにと祈りながら。

もし日本人の公衆衛生のレベルがもう少し低くて、自粛する人が少なくて、もしかしたらと期待されているBCGの効果もゼロであったのなら、日本の医療崩壊は欧米の水準まで落ちかねなかったわけです。

そんな状況では、この『お上』のもとではとても就業出来なかったですよ。判断も遅く、実弾の補給も鈍く、何よりも国民にも現場にも説明が足りなかった。

何故医師が必要と判断する症例まで保健所に検査を断られるのか。前にも書きましたけど、ボクはこれ、相当根に持っています。

未だにですよ。

某病院には某保健所から『PCR試薬が不足しているのでなるべく検査をオーダーしないで下さい』という通達が届いているのですよ。

日本の死亡者数が(今のところ)際立って少ないのは、国民の公衆衛生観念の高さと医療現場の覚悟と技術ゆえ、それだけだと思っちょります、はい。
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